まえがき
PBP 初挑戦以前に、そもそも海外輪行自体が初めて。一応仕事で海外に行った事があるとは言え、ろくに英語も使えないので、ほぼ何もかも初めて尽くし。
どうやって行くの?何を準備すればいいの?自転車はどうやって持っていけばいいの?と頭はぐるぐる。
ありがたい事に、ネット上には様々な情報を発信して下さってる方々がいらっしゃいます。感謝しつつ、調べまくって準備した事や、機材、装備について記します。
疑問編
初めて尽くしだとつまらない事でも不安になるもので。PBPの一年前から少しずつ調べながらやって行きました。
海外行くには何が必要?
さすがにパスポートが必要なことはわかります。以前、仕事で使う為に取得してたのでこれは問題なし。注意点としては、フランスへの渡航時点で有効期間の残りが3ヶ月以上必要ということ。
パスポートの取得にも時間がかかるし、航空券の予約にも必要になるとかで、持ってない場合や有効期間が残り少ない場合は早めに更新が必要ですかね(残り期間が一年以内なら更新申請できると初めて知った)。
時に、ビザって要るの?と思って調べてみたら、2023年現在、フランスへの観光目的での短期滞在には不要と書かれてました。国によっても、ご時世によっても変わってくるからしっかり確認ですね。
どうやって飛行機輪行しよう?
自転車旅で使ってる CARACLE-S なら折り畳んでスーツケースに入れて持ち運べるのですが、ミニベロロードの CARACLE-COZ ではそこまでは小さくなりません。
色々な方の話を見ると、OS-500 のようなクッションの多い飛行機用輪行袋を使うか、プラ段輪行箱を使うケースが多いみたい。他にはシーコンみたいなハードケースとか。
海外では自転車の扱いが悪く、投げられたり積まれたりすると言うのと、輪行箱ならば隙間に他の荷物も詰め込めて便利という事で、あれこれ考えた末、専用の箱を作ることにしました。
最終的には、業者に8mm厚の二重ダンボールで指定サイズ(内寸: 幅 35cm x 長さ 87cm x 高さ 74cm)の箱を作ってもらい、その中に引き出し&底抜け防止として4mmプラ段で作った補強を入れて仕上げました。
(後日談)
ベルトは外掛けにしましたが、輸送時にずれて外れそうだったので、箱の上の方と下の方にベルト通すスリットを設けて一部中に通した方が良かったです。あと、天板にもプラ段で補強入れた方が良かったのと、もう1cm長さを短くした方がバスのトランクへの収まりが良さそうでした。
滞在先のホテルはどうしよう?
事前に色々な情報を見るとホテルは早い内に(一年前位に)確保した方が良いとのこと。そうは言っても海外のホテルなんてどうやって予約すれば…と悩んでたら、なんと Booking.com という便利なサイトがあるとか。これは便利だわ!
しかし、2023年のPBPはランブイエがスタート地点(という話)だから、サンカンタン・アン・イヴニール駅かトラップ駅付近が良さそうと聞いて調べたものの、さっぱりわからない(汗)
周りに飲食店やスーパー、コインランドリーがあると便利だと言うものの、駅までの移動はどうなのか?とかピンと来ない事ばかりで、幾つか目星をつけてチェックはしたものの、そっ閉じ。
飛行機はどうしよう?
飛行機については、とにかくロストバゲージや乗り換えでのトラブルを避けたかったので最初から直通便だけをターゲットに。そうなると、ANAかJALかエールフランス。
一年前から予約できると言うのですが…、なんか結構高いぞと(汗)。それに、果たして往路・復路でどの時間帯のを取ればいいのか、それ以前にいつ行って戻ればいいのか?
PBPは前日にゼッケン受け取りとかあるそうだから、最低でもその前日には着かないといけない。えーと、そうなるとどうなるんだ???仕事もいつから休めるのかまだわからないし…。
かくして、こちらもチェックだけして、そっ閉じ。
空港からホテルへの移動はどうしよう?
宿も飛行機も確保してシャルル・ド・ゴール空港(CDG)まで行けたとして、さてどうやって大荷物抱えてホテルまで行けば良いのかと。
鉄道は治安が悪いところを通るのと、メトロは階段ばかりで自転車抱えての移動は困難との事。以前はモンパルナス駅に行くバスがあったのにそれが無くなって、今はオペラ座まで行くロワシーバスしか無いというのも困ったところ。オペラ座からモンパルナス駅までも結構距離あるようだし、うーん。大荷物抱えての移動はスリとかもあり一人ではちょっと辛い。
確実なのは空港から Taxi または Uber の利用との事だけど、英語も話せない身としては不安ばかり。困った…。
かくしてツアー利用に
飛行機、宿、空港と宿の移動、スケジュール、ドロップバッグ、言葉の問題…と考えてたら、もういっぱいいっぱい(汗)
英語もほとんど話せないし土地勘は無いし、走るだけでも大変なのにこれ以上リスクは増やしたくない…という事で最終的に落ち着いたのが、グッデイスポーツのツアー利用。
飛行機の時間も宿と空港の往復も安心だし、ホテルだって駅に近い都合良い所を押さえてくれてる。ドロップバッグも宿泊するホテルでの受け渡しだから運んでく面倒も無い。割高だとは言うけれど、これら諸々ひっくるめてのトータルサポートは初海外走の身としては何にも替えられないメリット。
かくして、早々にグッデイスポーツ(スワンインターナショナル)にPBPツアーの事前予約を申し込んだのでした。正直費用はかかりましたけど、おかげさまで安心して行って戻って来れて良かったです(^^)
(ただ、日程の自由は無いので、次に行くとしたらドロップバッグだけ頼んで個人手配かとは思います)
飛行機の預け入れ荷物と手荷物との分け方は?
危険物は預け入れも持ち込みも駄目なのは言うまでもないですが、気をつけるのが幾つか。
モバイルバッリー(充電式ライト等も含む)
バッテリー類は手荷物として持ち込まなければなりません。うっかりしやすいのが Di2 とか電動変速のバッテリー。これらも外して手荷物持ち込みです。まぁ、私はワイヤー変速なので関係無いのですが。
ワット数によって持ち込み本数の制限や、そもそも持ち込みも出来ないケースもあるので、これは登場する航空会社の規定を確認しましょう。ANA, JAL は 2023年9月現在、100Wh以下(27,027mAh以下)の物であれば個数制限なく持ち込み可能です。
今回 20,000mAhを6本、25,600mAh のを1本、この他にライト用として CatEye の BA-4.8, 3.2 を計5本持ち込んでますが行きも帰りも問題なく通過出来ました。
工具類
15cm未満の物は手荷物として持ち込めなくも無いのですが、必要無いですし、保安検査で面倒になるので最初から全部自転車と一緒に預け入れにするのが安全です。
チェーンルブ
預け入れでも手荷物でも出来るようでしたが、SDS安全データシートは必ず持参しましょう。そのまま通ればいいけど、没収されたくないですし。
肝心の自転車
言うまでもなく預け入れ荷物ですが、航空会社によってサイズや重量に制限があるので気をつけてください。また、事前に航空会社にサイズと重さを連絡しておく必要がある事に注意です。
今回はツアー主催側に確認されてツアー組の分は事前に連絡されていましたが、個人手配で無連絡だと、いざ当日になって貨物室が一杯で飛行機に積めない!なんて事になり得ます。実際、今回 ANA組の方はツアー外で事前申告無しに来た方が多かったようで積めるか積めないかギリギリだったそうです。
時にタイヤの空気圧。抜いても抜かなくても大丈夫とも聞きますが、普段6気圧くらいにしてるので、半分の3気圧以下まで抜いてはおきました。
海外旅行保険のこと
海外で怖いのは病気や怪我。病院に担ぎ込まれて治療を受けた際の費用が日本とは桁違いになるので、保険無しに行くなんて有り得ません。今回利用したのは次。
クレジットカードには、持ってるだけで自動で保険がかかる自動付帯保険と、ツアー料金などをカードで支払った場合のみかかる利用付帯とがあります。私の持ってるカードは海外旅行保険が自動付帯だったので、まずはこれを利用します。
ただ、現地での医療通訳手配やキャッシュレス治療治療、万が一の際の救援費用、輸送費用などを手厚くしたかったので、別途海外旅行保険もかけて行きました。
今回は、海外渡航者安全事業共済会のトラベルセーフティプランを利用しましたが、普段 au損保の自転車保険使ってるので、次回はそちらの海外旅行保険もいいかも。
お金のこと
フランスはクレジットカード社会
フランスではほとんどクレジットカードが使える(特にタッチ決済)と聞いてたので、事前に VISA と MASTER の2種類のカードを用意しました。
PC のレストランでの支払いもタッチ決済で出来ましたし、電車の切符を買うのもカードで済みます。タッチ決済ってすごく便利だわ(^^)
あと、〜Pay の類も使えるとこ多かったですね(私はiPhoneなので ApplePay)
現金はさほどいらない
小額紙幣(5ユーロ紙幣)中心に計200ユーロほど銀行で両替して持って行ったのですが、現金が必要なところと言えば、有料の私設エイドとか、PCでのシャワー利用、仮眠所利用くらい。
今回は全部で100ユーロも使わなかったかな。全く現金が無いのも困りますが、次は 100ユーロ位あればいいかなと思ってます。
持って行ってはいけない物
国によって、ご時世によって変わってきますが、たとえば生の肉とか魚とかはダメと書かれてました。魚肉ソーセージとか持って行こうかと思ったけどやめました。
機材編
いつも走ってる機材ですが、PBPでは前面にゼッケンを付ける必要もあるのでフロントバッグを装着。更にステムサイドバッグも装備して補給食満載で走れるようにしました。
ロードバイク
お馴染み、テックワンさんの折り畳みカーボンミニベロロード CARACLE-COZ です。私、ついつい色々と積んでしまって重くしちゃってますが、本体は小指で持てるくらい軽いんですよ。
丈夫さ優先でコンポは 105 の11s で固め、ステム、ハンドル、シートポストはアルミ。ホイールもスポーク数の多い物を選んでます。タイヤはパナレーサーのミニッツタフ 451-28 でこちらも丈夫さ優先。
リムブレーキモデルですが、BBBのハイパフォーマンスブレーキシューを使ってるので雨でも安心の制動力。
フロントバッグ
ROCKBROSの円筒型のもの。私はバッグの上にはサイコンやカメラ、バッグの下にはライトやカメラを配置してるので、普通のバッグだと開け閉めできなくなりますが、これは両サイドが開く筒のような構造なので助かります。防水性が弱いのが残念。
今回はここに補給食を詰め込めるだけ詰め込みました。
ステムサイドバッグ
GORIXの蓋付きステムサイドバッグを左右に2個装着。口が大きくて意外に物が入るのと、蓋ありで雨天でも結構強く、また底に水抜き穴が無いので下からの湿気の侵入も防がれて結構重宝してます。
BCAA等や走行中に食べたい物などはこちらへ。日焼け止め、目薬等もすぐ手に取れるのでここへ入れてます。
フレームバッグ
完全防水 アピデュラのEXPEDITION FRAME PACK/スモール を愛用。CARACLE-COZ にぴったりの大きさで、軽くて柔らかく荷物もたっぷり入るのが嬉しい。バッグの先端下部にケーブルを出せる口があり、モバイルバッテリーを中に入れてフロントカメラへの給電とかに便利してます。
主に、薬や救急キット、モバイルバッテリー、予備電池類を入れてました。
サドルバッグ
完全防水のオルトリーブ サドルバッグ2 (4.1L) を愛用。大型サドルバッグはあまり推奨されてないので、中身は軽い物だけ入れてます。
雨具、替えのインナーウェア、グローブ、ソックス、ジレとウィンドブレーカーなど。
ダウンチューブバッグ
アピデュラのダウンチューブバッグ。いつもはフレームバッグに入れてる携帯ポンプ(TOPEAK ローディーTT) とスポークの予備、チェーンルブ、エアゲージ、予備チューブをまとめてこちらへ移動。このバッグは防水性が弱いので荷物はジップロックに入れた上で格納してます。
ツールボトル
ダウンチューブ上のボトルケージに、ミニサイズのツールボトルを装着。基本的な工具類、チェーン切り、予備のディレイラーハンガー、替えチューブ、パンク修理パッチ、タイヤレバー等はこちらへ。ちなみにボトルケージは、ミノウラの前後位置を何段階か変えられる物を使用。
ハンドル周り
サイクルコンピュータ
GARMIN EDGE840 Solar をダブルマウントでステム付近に装着。必要に応じてサイコンの代わりに iPhone を取り付けられるようにしてます。単体では流石にバッテリー保たないので途中でモバイルバッテリーからの給電/充電。
360度カメラ
Insta360 ONE RS を両持ちナローアームの一番先端に配置。昼間とか周りがよく見える時間帯はヘルメットの上に取り付けて撮影し、夜とか首が疲れそうな時はこの場所に取り付けるようにしてみました。
ライト (ハンドル下部)
CATEYE VOLT800NEO 2本を、KCNC ブルベマウントにてフロントバッグの下から前を照らすように装着。使用時は基本的に一灯で利用して、もう一灯は予備の位置付けです。
ライト (ハブ軸)
前輪ハブ軸に OLIGHT RN1500 を装着。夜道で暗い時の補助として使用。地面に近いところから照らすので路面がよく見えて良かった。
ワイヤーロック
今回はほぼほぼPBPで走ってるだけなので、軽めの小さなワイヤーロックを使用。走行中はサドルに巻き付けておき、駐車時に気持ち地球ロックしてました。
装備編
ヘルメット
KASK のオレンジ色の。よく目立ちます(^^)。今回は360度カメラを装着するので、シャーマーズネックにならないよう前後のライトは外してました。
サイクルキャップ
なななキャップと、佐渡ロングライド+αで貰ったキャップを使用。さすがに汗でやられたのでもう一つくらいドロップバッグに入れとけば良かったかなぁ。
アイウェア
夜間走行時間が多いので、オークリーのアイウェアに度入りの調光レンズを入れた物をメインで使用。予備として偏光レンズの物も持っていきました。
メガネ民なので自由にアイウェアを選べないのが痛い(汗)
ウェア類
気温が5度〜30度くらいと、昼夜の寒暖差がかなりあるというのと、ブレスト〜ルデアック間は冷えるという話から、大きく、夏用、春秋用、秋冬用の 3つのカテゴリに分けて、どのような気候でも良いように備えました。
夏用
共通装備
今回は全体的に暑かったですが、それでも夜〜朝は冷えるので、防風腹巻きが非常に役立ちました。お腹冷やさないって大事!
電子機器類
モバイルバッテリー
今回、動画撮影用にフロントに SONY ActionCam AS300 を、メット上またはフロントに Insta360 ONE RS を装備してましたので、その給電用に20,000mAhクラスを常時3本持ち歩いてました。2本はフレームバッグに入れてフロントカメラへの給電、1本はサイクルジャージの右後ろポケットに入れ、メット上への給電です。
当然それだけでは足りないので、ドロップバッグに4本入れておき、往路と復路のルデアックでバッテリー交換して運用していました。ちなみにバッテリーとライト類だけで重さ4kgを超えました(汗)
ACアダプタ、ケーブル類
走行中に充電する機会は無いので、モバイルバッテリーと機材の接続用の物だけを持ち歩き。
コンセント形状変換器(C タイプ)等はスタート前の充電用なのでホテルに置いていました。
腕時計
GARMINウォッチ INSTINCT。時計としての役割よりかは、クイックタイマーで5分とか30分とか決めて無音のバイブアラームに使うのが主目的でしたが十二分に役立ちました。
通信環境
補給食
写真はごく一部ですが、手当たり次第、色々持って行きました。フロントバッグに詰めるだけ詰めておき、ドロップバッグにもたくさん入れてました。ただ、PCで結構食べれたのであまり補給食要らなかったかなぁ…。
この他、ご飯が食べたくなると思って次の2種類も持参し、ドロップバッグにも入れてました。
- モンベルで売ってるリゾット
お湯で3分、水でも5分程度で食べられて美味しい!よく自転車旅でも使ってる安心の一品(^^)
- イシイの佰にぎり (常温で100日間もつ)
本来は湯せんかレンジで温めるのですが、少しポロポロするもののそのままでも食べられて便利。今回は復路のルデアックで食べてほっとひと落ち着きしてました。
その他
医薬品
- 胃薬(キャベジン)
- ストッパ
- 虫刺され用塗り薬
- 絆創膏
- ガーゼパッド
- 包帯
- 消毒用アルコール
- 目薬
- プロテクトJ1
- 日焼け止め
何があるかわからないので一通り持って行ったのですが、失敗したのが、眠気覚ましのカフェイン剤と、入眠を良くする睡眠導入剤を忘れた事。初日の夜から眠気が酷くて苦しみました…。
BCAA等
スポーツドリンクは入手できないと聞いてたので、ドリンクボトルは水だけと決めてました。その代わり、適当なタイミングでアミノバイタルやピンクイオンのタブレットを口に含む運用でやりくりしました。ピンクイオン、結構良かったです。
サプリメント色々
ビタミンB,C,D、鉄分等を一日分ごとに小分け袋に入れて持参。どの程度効いたかは正直不明です(^^;
日用品類
おしりセレブ、おしりナップはウォッシュレット&トイレットペーパーの代わりですが、特にピジョンのは厚手で大きくて使いやすかったです。手や顔を拭くのにも使えるし、これからは必須装備ですね(^^)
パスポート入れ
kuroさんのDCFマルチポーチをずっと首からかけて使ってました。薄くて軽くて防水で、パスポートからカード、現金と、貴重品の携帯に本当に重宝しました。
(ブルベカードの方は、前日受付でもらったのに入れて首からかけてました)
ビブショーツ/タイツがハイウェストなので、そこに入れるようにする事で首に負担なくずっと走れました(^^)
そんなわけで
他にもいろいろあった気はしますが、思い出したらまた追記するとして、こんな感じの荷物でフランスへと出発したわけです。
では、次からは、いよいよ移動編に突入します!
to be continued...