前回までのあらすじ
摩周湖の上りを越え、紋別のタイムリミットを何とかクリアし、やっとの思いで辿り着いた名寄の街。正直ここで休みたいところですが、明日の行程を楽にする為に、21km 先の士別まで向かいます。
そして迎えた最終日…。果たして無事完走はなるか!?
第九区間
士別を過ぎた先にもう二山ありますが、とりあえずホテルまで大きなアップダウンはないので一安心。寝て起きた後ならきっと体力も戻って楽に越えられるでしょう。
士別までの21km
わずか 21km。昼間ならなんてこと無い距離ですが、真夜中で疲れと眠気がある中では結構長い。
もっともこの時間でも反対車線の名寄に向かう車は結構走ってるので、さっきまでのような寂しさが無いのは良いですね。北海道は町と町の間には道しか無い(お店とかほとんど無い)から、車が通ってるだけで何か安心するんですよ(^^;
途中、眠気で足を止める場面が何度かあったり、ホテル直前でコンビニに寄ったり多少の時間ロスはあったものの、なんとか二人で2時過ぎにホテルに到着。
士別グランドホテルで休憩する
7/17 02:14 士別グランドホテルに入りました!こちら本来はチェックイン20:00なのですが、事前に確認したら「到着時刻を教えてもらえば深夜でも対応します」とのことで本当助かりました(^^)
そうそう、自転車も最初はフロントとかロビーとかに置かせてもらう予定だったのだけど、エレベーターに乗るなら部屋に持って行ってもいいですよとの事でありがたい限り。
部屋に入ってとにかく服を脱ぎ、コインランドリーへダッシュ!洗ってる間に充電祭りを始めたりお風呂に入って汗を流したり大忙し。
洗濯が終わった頃にまた下りて行って乾燥機をしかけ、後は部屋に戻り泥のように眠ります。お休みなさい、世界…。
アラームで目覚める
コインランドリーが仕上がる一時間半後、アラームの音で目が覚めました。眠りについたと思ったらすぐ起こされた感じですが、乾燥機から洗濯物を引き上げてきて着替え、出発準備を進めます。
イシイの佰にぎりは美味かった
ところで、おそらくPBPでは途中でご飯が恋しくなるだろうと思ってて、そんな時に食べられる物をあれこれ探してました。
水を入れてにぎるとおにぎりになる物とか、お湯を入れて食べるのとか色々あるのだけど、ちょっと気になってGETしたのがこちら!
本来は湯せんしたり、レンジで温めて食べる物なんですが、まぁそのまま食べても食べられなくは無いおにぎりで、特筆すべきは常温で100日間保存可能ということ。
朝食に利用しましたが、温めてないのでポロポロするし、多少固まった脂っ気はあるものの、意外にいけるし腹持ちもいい。
手間なく食べられるので、ドロップバッグに入れてこうと思ってます。
爽やかな朝の道
7/17 05:50、休憩3時間30分、睡眠1時間半でホテルを出発!
最終日になってようやく夏の北海道らしい天気になりましたが、やはり走ってると朝方は風が冷たい。気温はそれほど低くないのにしとっと来る冷たさ。PBPとはまた違うのだろうけど、予想以上に冷たく感じる。
もっとも、既にお日様は昇って明るいので、この冷たさも爽やかなものと走って行きます!ところどころ上りはあるけど、ベッドで寝れたのでだいぶ回復して楽に行けます(^^)
通行止め、回り道
7/17 08:31 幌加内町を過ぎたところで通行止めに出くわしました。すぐコースに戻れたのでそれほどロスは無いです。
いつぞや走った霞ヶ浦では、迂回路が迂回路過ぎてどこ走ってるかわからなくなったなぁ…。本来のルートを外れるから etrex に表示される残距離がどんどん増えてって、道間違えたんじゃないかと不安だった思い出(汗)
しかし、全然コンビニ無いなぁ…そろそろ何か無いかなぁ…、自販機だけでもいい…。
セイコーマート深川多度志で朝食を
深川市多度志120
7/17 09:49 そろそろ補給を…補給を…と思い続けながら走って来て、ようやく見つけたセコマ!あぁ、やっぱりセイコーマートは僕らの味方w(T-T)w
やはりと言うか当然と言うか、参加者の皆さん吸い込まれてました(^^;
2023-07-17 09:56 (レシートタイム)
- 鶏天丼1 ¥378
- トヨトミ飲むYGイチゴ ¥150
- アクエリアスブルー ¥130
まだそんなにお腹は空いてないけれど、また次いつ補給できるかわからないので、お弁当タイム!飲むヨーグルトで胃腸の調子も整えますー。
2023-07-17 10:18
- メンチカツバーガー ¥149
お腹いっぱいになったのだけど、ふと見たらあまりに美味しそうだったので追加購入。これは背中のポッケに入れていざという時の為に取っておこう。
休憩時間: 39分
忍び寄る魔の手
ところで、なんだかさっきから首の横が痛い…。横を向くのが辛い感じ。
更に、しばらく走ってる内に、いつの間にか無意識にアップライトポジションを取ったり、背筋を伸ばすような動きをしてることにも気付いた。
…嫌な予感がする。
もしや…と、首を持ち上げてみると…あれ、なんか頭が重いぞ。気付きにくいのだけど、首の後ろに鈍い痛みが起きている。いや、それよかうまく頭が持ち上がらなくなって来てる。もしや、シャーマーズネック!?
やばい、やばい、やばい(汗)、これは間違いなくシャーマーズネックの兆候だ。しかも、結構段階が進んでる。えぇぇ…、ここまで900kmも走って来てDNF になるわけ???(;_;)
いや、落ち着け、まだ致命的なところまでは来てない。まずはメットの前に着けてるヘッドライトを外すんだ。そして考えた。首周辺の筋肉疲労が原因と言うなら、炎症を抑えてやればいいんじゃないか?
思い起こしてみれば、過去、揉んだり温めたりして余計悪化したような気がする。腱鞘炎やった時もそれで指が動かなくなったんだっけ…。よし、ならば冷やす!
タオルに水をぶっかけて首にぐるぐる巻きして冷やしまくる!!なんとかこれでもってくれ…。
934.6km地点 PC7 セブンイレブン砂川豊沼店
北海道砂川市東1条南20-1-1
7/17 13:25 最後のPC、PC7 に到着!冷やしたのが良かったのか、首も少し持ち直してくれた。良がっだよぉぉぉ…w(T-T)w
2023-07-17 13:32 (レシートタイム)
- 野菜一日これ一本200ml ¥106
- コカコーラ500ml ¥160
- みかんの牛乳寒天 ¥200
前のセコマで買ってたメンチカツバーガーをセブンイレブンの前で食べる。ちょっと背徳感?(^^;
いや、しかし、ここまで来ればほぼほぼ大丈夫だろうという感じで皆さんの表情も明るいですね。実に和やかな PC でした(^^)
PC7クローズ: 14:19
出発時の貯金: 21m
第十区間
いよいよ最後の区間。残すところ、わずか 68.7km。15km/hで計算しても4時間半あれば行けます。大きな上りもなく下り基調だし、ゆっくり寄り道しながら行っても全然間に合うでしょう。
最終日はよく晴れて
しっかし、なんか最終日になってようやく晴れ上がりましたねぇ。ジリジリ暑いのも困るのだけど、あの初日から続いた雨は一体何だったんだろう(白目)
後から考えれば、晴れたところで再びカメラ着けて動画撮影しとけば良かったな〜とも思うけど、まぁ、過ぎた事を言っても仕方ない。急ぐことも無いし、立ち止まって写真を撮りながら行きましょ。
てんとう虫の道連れ
7/17 14:47 ふと見たら左腕にてんとう虫が。逃がそうにも腕の裏側に回り込むので、そのまま走りましたが、どこまで一緒だったんだろう?
橋の上からの眺め
次々とゴールを目指す参加者達
そんな感じでのんびりと走っていたら、橋を過ぎて曲がり長い直線に入った辺りで少しずつ参加者の方々がいらっしゃいました。ブロンプトンの彼も相変わらずの速さでサーっと駆け抜けて行きます。
その後、何人かとご一緒しながらFINISHポイントを目指しました。途中で千切れちゃいましたが、短い間、ご一緒ありがとうございましたー。
少しずつ異変が…
急に暑くなったのもあったのかも知れないし、ここまでに蓄積した疲労、眠気だったのかも知れない。
知らず知らずのうちに身体に異変が起き始めていた。まずもって腕、特に右腕が痛い。疲れで腕に荷重してたせいだろうけど、だるくてたまらず、時折ダランとする事が。スピードも上げられなくなって、軽くふらつく感が出て来てる。なんだろ…。
今にして思えば、ここで少しでも休憩すべきだった。
ゴール受付へ
レシートも取得したので、あとはゴール受付まで行くのみ。
ちょっと走るのがきついので、ここはずっと押し歩き。途中、参加者の方が「パンクですか?」とわざわざこちらまで(右側の歩道をトボトボ歩いてたので)来てくれてありがたかった。多謝 m(_ _)m
ゴール受付到着・完走!
19:30 かくして、何とか辿り着き、無事に完走認定されましたー(T-T)
本当は皆さんとゆっくり話したりして行きたかったとこですけど、左肩が心配なので、ゴール受付だけ済ませてすぐに失礼させて頂きました。
ホテル編
ホテルへの帰還
札幌駅前のホテルを取ってたので、押し歩きで移動。途中、帰宅途中の参加者の方数名と言葉を交わし、この数日間の出来事を思い出したりしながら歩いてました。
それにしても初日に自転車で走って来た時は気にならなかったけど、歩くと結構時間かかるもんですね。2時間も会話に付き合ってくれた友人に感謝。
ホテルに着いてから服を脱いで様子を見てみたところ外傷は無く緊急は要しないようなので、今夜はこのまま休み帰ってから病院に行くことに。
左肩に力がかけられないので飛行機輪行準備にも時間がかかり、結局終わったのは0時頃だったかな。今日は色々疲れた…お休みなさい…。
起床
6:57 目が覚めた。こんなに寝たのは久しぶりだなぁ…。左肩は痛いけど何もできないわけじゃない。昨夜はそのまま倒れるように眠ってしまったので、シャワーを浴びて北海道らしくリボンナポリンで一息。
初日のパンク位置判明
7:31 そう言えば、初日の夜にパンクしたチューブ。原因を知りたいのと、万が一にはパッチ当てて使う事を考えて最後まで持って歩きましたが、結果的に何か鋭利な物がタイヤを貫通したっぽいです。
てっきりリム打ちかと思ったら、そうじゃ無かったんですね。路側帯に何か尖った物があって、それが刺さったようです。後から見たらタイヤにも貫通穴があったので、よく最後まで走れたなぁ…と今にして思います。
これが楽しみ!朝食バイキング
時間いっぱい、ほぼ全種類を頂きました。大変美味しゅうございました(^-^)
帰宅編
札幌駅から出発!
10:15 チェックアウト時刻ぎりぎりでホテルを出ます。しかし駅前すぐのホテルで良かった。さすがに左肩が使えない状態で自転車担いで長々と歩くのはキツいですから(汗)
新千歳空港駅
11:04 快速テレポート。来た時は連休直前とあってかなり混んでたけど、今日は平日の朝だけあって空いてて助かった。ちょうど自転車横に置いて座れたので空港駅まで楽々到着(^^)
自転車を預けるのに手間取る
…が、新千歳空港はすんごい混みよう(汗)。電車は空いてたと思ったのにー(>_<)
新千歳空港広いし、自転車どこで預けたらいいのかよくわからずウロウロ。
そしたら、来る時ご一緒だった Mさんと再会。帰りも同じ便とか嬉しいですね(^^)。預け入れとか色々手伝って頂き、本当助かりました。感謝しか無いですm(_ _)m
新千歳空港は大きいな〜
12:11 預け入れた後は、まだ時間あるので少し空港内をお散歩。
さらば北海道、またくるよ
かくして、無事に帰りの便に乗り、北海道の大地をあとにしたのでした。
ちょっと可愛い(^^)
今回の走行経路
全走行経路
高度&気温
最低気温: 14度
最高気温: 33度
平均気温: 19度
総括
総括…と言うか、今回、PBPと似た構成で北海道を走ったことで色々と思ったことがあるので、自己反省も含めて記録しておきます。
疲労は蓄積されるもの、最初に無理しない
初日とか二日目はまだ元気なんで無理が効くんですよね。でもその無理が後半に響いて来ます。後から思えば、初日の夜も30分でいいから仮眠するべきでした。
防寒対策は必須
最低でも14度はありましたが、やはり朝方は冷え込みます。今回は夏装備にアームカバー、レッグカバー構成でしたが、モンベルの前面防風腹巻きが無かったら厳しかったです。
PBPでは最低5度まで下がると聞きますが、私的経験では 5〜22度範囲なら裏起毛の冬用ビブタイツ、長袖ジャージでもいいかなってくらい。そう考えると裏起毛のビブショーツって使い勝手いいのかも。
睡眠はまとめてしっかり取る
なんだかんだで全体的に睡眠時間が少なかった。時間が無いからと睡眠時間を短くして出発した結果、途中で眠気で足を止める場面が幾度かあったわけで、それならもう少し眠ってから走った方が効率良かったはず。
800km超ポイントでも、もう1時間多く眠っておけば良かった。
走るなら明るい内がおすすめ
暑い時は逆ですが、そうで無く寒いようなら明け方は眠っておき明るい時に走った方が色々な意味で効率もいいし安全。暗いとやはり眠気が来るので…。
昼間はメットのライトも外す
感覚的に 600km を超えるライドではシャーマーズネックの発生率がぐんと増えます。わずか80g程度のライトでも結構な負担になるので、せめて昼間は外して少しでも首を楽に。可能な限りメットは軽く…です。
シャーマーズネックの予兆と対処
私的にはシャーマーズネックは次の順で来ると感じています。
- 首の両側が痛くなり横を向くのが辛く感じる
- 首の後ろが鈍い痛みと重さで首を上げづらくなる
- 痛みは無い…もう首を上げることができない…
2. の首の後ろが重くなったらかなりまずいです。どこかの時点で急に 3. に移行してお手上げになります。
ただ、まだ 1, 2 の段階であれば負荷を減らしたり、首を冷やしたりで改善できなくは無いです。なお、揉んだり温めたりすると余計に悪化するのでNG。
3. になってしまったら、走るのをやめて数時間横になるとかして回復をはかった方がいいです。あとほんの少しであれば紐で縛るとかの対処法も無くは無いのですが、腹を括って休憩した方が回復します。
自分のペースで走ること
一人一人走り方って違います。チーム二人みたくぴったり一致して走れるなら別ですが、そうでないと相手に合わせて無理をしたり、逆に相手に合わせて速度を抑えたりが起きて、そのほんの僅かな違和感が長丁場では響いて来ます。
助け合うけど馴れ合わないと言うか、個々に独立した者として皆お互いにベストを尽くし、完走を目指したいものです。
最後に。少しでも異変があったら休むこと
ふらつくとか、ラインをキープできないとか、眠気とか、スピード出せないとか、走ってて怖いとか、とにかく何でも。
ちょっとでも異変があったら腹を括って足を止めて休みましょう。そして、休んでシャッキリしたところでまた進みましょう。安全第一。思い切り自戒を込めて。